AGA治療薬の違いと副作用
AGA治療で使われる薬には、フィナステリド、デュタステリド、外用ミノキシジルなどがあります。
これらは同じ働きをする薬ではなく、国内で承認されている効能、作用、副作用、使用できる人などが異なります。
また、「ミノキシジル」という名前でも、外用薬と内服薬では国内での承認状況が異なります。
※本ページは一般的な情報提供を目的としています。処方薬の使用・変更・中止は医師へ相談し、一般用医薬品は添付文書を確認して必要に応じて薬剤師または医師へご相談ください。
▼ AGA治療全体の種類を確認したい人
まず確認したいAGA治療薬の違い
| 治療薬 | 国内での主な位置づけ | 2017年版ガイドライン |
|---|---|---|
| フィナステリド内服 | 成人男性の男性型脱毛症の進行遅延を目的とする処方薬 | 推奨度A |
| デュタステリド内服 | 成人男性の男性型脱毛症における発毛・育毛・脱毛進行予防を目的とする処方薬 | 推奨度A |
| ミノキシジル外用 | 壮年性脱毛症に対する一般用医薬品として承認製品がある | 男性では5%外用が推奨度A |
| ミノキシジル内服 | AGA治療薬として国内未承認 | 推奨度D |
ここで示す推奨度は、日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」上の評価です。
「2026年の新しいガイドラインによる評価」という意味ではありません。
フィナステリドとは?
フィナステリドは、DHTの生成に関係する5α還元酵素を阻害する薬です。
国内では、成人男性の男性型脱毛症における進行遅延を目的とする処方薬があります。
DHTの生成を抑えることで、AGAによる脱毛の進行を抑える目的で使われます。
フィナステリドで確認したい副作用・注意点
- 性欲減退
- 勃起機能不全
- 射精障害などの性機能関連症状
- 肝機能障害
- 乳房の圧痛・腫れ・乳房肥大など
- 気分の変化など、添付文書上の注意事項
- PSA値への影響
副作用はすべての人に起こるわけではありませんが、「ほとんど副作用がない」「副作用は軽い」と一括して考えないことが大切です。
PSA検査を受ける場合
フィナステリドは、PSA値に影響する可能性があります。
前立腺がん検診などでPSA検査を受ける場合は、フィナステリドを使用していることを医師へ伝えてください。
女性・未成年者への注意
フィナステリドは、女性や未成年者に対するAGA治療薬としての適応はありません。
特に、妊娠中または妊娠可能性のある女性は、破損・粉砕された錠剤に触れないよう注意が必要です。
デュタステリドとは?
デュタステリドも、DHTの生成に関係する5α還元酵素を阻害する薬です。
国内では、成人男性の男性型脱毛症における発毛・育毛・脱毛進行予防を効能とする処方薬があります。
フィナステリドとは作用する5α還元酵素の範囲などに違いがありますが、「こちらの方が強いから適している」と単純に決めるものではありません。
デュタステリドで確認したい副作用・注意点
- 性欲減退
- 勃起機能不全
- 射精障害などの性機能関連症状
- 肝機能障害
- 乳房の圧痛・腫れなど
- PSA値への影響
- ほかの薬との相互作用
重度の肝機能障害など、使用できない場合や慎重な判断が必要となる場合があります。
現在使用している薬や持病がある場合は、診察時に医師へ伝えてください。
女性・小児への注意
デュタステリドは女性・小児には使用できません。
カプセルから漏れた内容物には、女性や小児が触れないよう注意が必要です。
外用ミノキシジルとは?
外用ミノキシジルは、頭皮へ塗布して使用する発毛剤です。
国内では、男性用のミノキシジル外用薬が一般用医薬品として販売されています。
承認効能は、製品ごとの範囲で壮年性脱毛症における発毛・育毛・脱毛の進行予防です。
ミノキシジルは毛包に作用し、毛髪の成長期への移行や成長維持を促すことで発毛・育毛効果を示すと考えられています。
「血管を広げて血流を改善するから髪が生える」という説明だけでは、作用を十分に表せません。
外用ミノキシジルで確認したい副作用
主な注意症状には、次のようなものがあります。
- 頭皮の発疹・発赤
- かゆみ・かぶれ
- ふけ
- 頭痛・めまい
- 動悸・胸痛
- むくみ
症状が現れた場合は使用を中止し、製品の添付文書に従って医師または薬剤師へ相談してください。
使用前に特に確認したいケース
男性用5%ミノキシジル製品では、使用できない人や、使用前に医師・薬剤師への相談が必要な人が定められています。
- 女性
- 20歳未満
- 急激または斑状の脱毛がある
- 壮年性脱毛症以外の脱毛が疑われる
- 頭皮に傷・湿疹・炎症などがある
- 高血圧・低血圧で治療中
- 心臓や腎臓の病気がある
- むくみがある
- 甲状腺疾患がある
- 薬や化粧品でアレルギーを起こしたことがある
年齢などを含めた具体的な使用条件は製品によって異なるため、実際に使用する製品の添付文書を優先してください。
「初期脱毛」は効いている証拠?
外用ミノキシジルについて、「使い始めに抜け毛が増えるのは薬が効いている証拠」と説明されることがあります。
しかし、初期脱毛を必ず起こる経過や、効果が出ている証拠として一般化することはできません。
使用開始後に抜け毛が増えた、頭皮症状が出たなど気になる変化がある場合は、自己判断で正常な反応と決めつけず、製品の相談窓口、薬剤師または医師へ相談してください。
外用ミノキシジルは何か月で効果がわかる?
外用ミノキシジルは、効果判定まで一定期間の継続使用が必要です。
ただし、「4か月で必ず発毛する」と一律にはいえません。
必要な使用期間は製品によって異なるため、使用する製品の添付文書に示された期間を確認してください。
一定期間使用しても改善が認められない場合は、添付文書に従って使用を中止し、医師または薬剤師へ相談します。
内服ミノキシジルは国内承認薬ではない
AGA治療を扱う医療機関では、ミノキシジルの内服薬が案内される場合があります。
しかし、AGA治療目的の内服ミノキシジルは、日本国内でAGA治療薬として承認された薬ではありません。
2017年版ガイドラインでも、男性型脱毛症に対する内服ミノキシジルは推奨度Dの「行うべきではない」と評価されています。
外用ミノキシジルとは、承認状況や副作用リスクが異なります。
未承認薬を用いた治療を検討する場合は、国内未承認であること、入手経路、国内承認薬の有無、主要なリスク・副作用などを確認する必要があります。
AGA治療薬は併用した方がいい?
作用の異なる治療薬を組み合わせて使用する場合はあります。
ただし、全員に併用が必要なわけではなく、併用すれば必ず効果が高くなるともいえません。
併用の必要性は、診断、健康状態、使用中の薬、副作用リスクなどを確認したうえで、医師が個別に判断します。
治療効果は何か月で判断する?
AGA治療薬の効果判定期間は、薬によって異なります。
- フィナステリド・デュタステリド:通常は数か月単位で評価する
- 外用ミノキシジル:各製品の添付文書に示された最低使用期間を確認する
AGA治療薬を一括して「3〜6か月で効果を実感する」と表現するのは適切ではありません。
治療薬をやめるとどうなる?
AGA治療薬は、一度使えば効果が永久に固定される薬ではありません。
外用ミノキシジルでは、使用を中止すると効果が徐々に失われることが公式情報で説明されています。
フィナステリド・デュタステリドについても、中止後にはAGA本来の進行が再び目立つ可能性があります。
ただし、「やめると必ず治療前より悪化する」「全員が同じ期間で元に戻る」と断定することはできません。
処方薬の中止・変更は自己判断で行わず、処方医へ相談してください。
献血するときは薬の申告を
フィナステリドやデュタステリドは、服用中および中止後の一定期間、献血できない場合があります。
待機期間などの具体的な基準は薬剤によって異なり、変更されることもあります。
献血前には日本赤十字社の最新基準を確認し、使用中の薬を申告してください。
AGA治療薬についてよくある疑問
フィナステリドとデュタステリドはどちらが安全?
→ 一律に安全性の優劣を決めることはできません。
承認効能、作用、副作用、禁忌、相互作用などが異なるため、健康状態や治療目的を踏まえて医師が判断します。
副作用が少ない薬を選べば安心?
→ 副作用の種類や発現頻度だけで、安全性を一律に判断することはできません。
自分の持病、使用中の薬、体調などによって注意点が変わるため、症状が出た場合の対応も含めて確認しましょう。
ミノキシジルは内服と外用で同じ薬?
→ 同じ成分名でも、AGA治療における国内での承認状況は異なります。
外用ミノキシジルには国内承認された一般用医薬品がありますが、AGA治療目的の内服ミノキシジルは国内未承認です。
薬を飲み始めたらずっと続ける必要がある?
→ 効果を維持するには継続が必要となる場合がありますが、治療期間や中止の判断は個人によって異なります。
処方薬を自己判断で中止せず、治療方針を医師と相談してください。
まとめ|「強さ」ではなく承認状況・副作用・適否を確認しよう
フィナステリド、デュタステリド、外用ミノキシジルは、AGA治療で用いられる代表的な薬ですが、作用や承認効能、副作用はそれぞれ異なります。
また、内服ミノキシジルはAGA治療薬として国内承認された薬ではなく、外用薬とは分けて考える必要があります。
「強い薬」「副作用が少ない薬」「組み合わせれば効果が高い」といった単純な比較で決めず、自分の健康状態や治療目的を踏まえて適否を確認することが大切です。
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