AGA・薄毛対策の基本
髪が細くなった、生え際や頭頂部が気になる、抜け毛が増えたように感じる――こうした変化の原因の一つに、AGA(男性型脱毛症)があります。
ただし、薄毛や抜け毛の原因がすべてAGAとは限りません。
AGA以外にも、円形脱毛症、休止期脱毛、薬剤の影響、甲状腺疾患などによって脱毛が起こることがあります。
このページでは、AGAの基本、治療、自宅でできるケア、医療機関へ相談するときの考え方を整理します。
※本ページは一般的な情報提供を目的としています。脱毛の原因や治療の必要性は個人によって異なるため、気になる症状がある場合は医療機関へご相談ください。
AGA(男性型脱毛症)とは?
AGAは、遺伝的な要因や男性ホルモンの作用が関係する脱毛症です。
主に思春期以降の男性にみられ、生え際・前頭部・頭頂部などを中心に、毛髪が徐々に細く短くなり、薄毛が目立つようになる傾向があります。
AGAでは、毛根が突然なくなるというよりも、毛髪の成長期間が短くなり、太く長く成長する前に抜けやすくなる「毛包のミニチュア化」が進みます。
一般に進行性ですが、進行速度や薄毛の範囲には個人差があります。
▼ AGAの原因や仕組みを詳しく確認したい人
薄毛だからといってAGAとは限らない
生え際や頭頂部の変化はAGAを考える一つの手がかりになりますが、見た目だけでAGAと確定することはできません。
特に、次のような場合はAGA以外の脱毛症や病気が関係している可能性もあるため、自己判断だけで対策を続けず、医療機関への相談を検討しましょう。
- 数週間から数か月で急に抜け毛が増えた
- 円形・斑状に髪が抜けている
- 頭皮に強い赤み・痛み・かゆみ・膿・かさぶたがある
- 眉毛・まつ毛・体毛などにも脱毛がある
- 新しい薬を使い始めたあとに脱毛が起きた
- 脱毛とともに体調の変化がある
セルフチェックはあくまで目安であり、診断の代わりにはなりません。
AGAの原因は生活習慣だけではない
AGAでは、男性ホルモンから作られるDHT(ジヒドロテストステロン)の作用や、遺伝的な要因などが関係します。
DHTがAGAの起こりやすい部位の毛包に作用すると、毛髪の成長期間が短くなり、細く短い毛の割合が増えていきます。
ただし、「男性ホルモンが多い人ほどAGAになる」「母方の祖父が薄毛ならAGAになる」といった単純な仕組みではありません。
遺伝には複数の要因が関係しており、家族歴だけで将来の薄毛を断定することもできません。
生活習慣を改善すればAGAは治る?
睡眠、食事、運動、禁煙などは、一般的な健康管理や毛髪管理として大切です。
一方で、生活習慣を改善するだけでAGAが治る、発毛する、進行が止まると考えることはできません。
極端な食事制限や栄養不足、病気などが別の脱毛につながることもあるため、健康的な生活を整えることとAGA治療は分けて考えましょう。
▼ 自宅でできるケアの範囲を確認したい人
AGA治療にはどんな選択肢がある?
AGAには、医薬品や自毛植毛など医学的な治療の選択肢があります。
2017年版の日本皮膚科学会ガイドラインでは、成人男性のAGAに対して、フィナステリド内服、デュタステリド内服、ミノキシジル外用などが評価されています。
ただし、治療法によって作用・承認内容・副作用・対象者は異なります。
「軽度ならこの薬」「重度なら植毛」というように、薄毛の程度だけで治療法を決めることはできません。
年齢、持病、服用中の薬、薄毛の範囲、治療目的、副作用リスクなどを含めて、医師と相談しながら判断します。
▼ AGA治療の種類を確認したい人
AGA治療薬は同じ働きをするわけではない
AGA治療で使われる薬には、それぞれ異なる役割があります。
フィナステリドやデュタステリドは、DHTの生成に関係する5α還元酵素を阻害する薬です。
一方、外用ミノキシジルは毛包に作用し、発毛・育毛を促す目的で使われます。
また、AGA治療目的の内服ミノキシジルは、日本国内で承認されたAGA治療薬ではありません。
外用ミノキシジルとは承認状況やリスクが異なるため、同じものとして扱わないことが重要です。
治療薬には副作用や使用上の注意があるため、自己判断で併用・変更・中止するのではなく、医師や薬剤師へ相談しましょう。
▼ 治療薬の違いと注意点を確認したい人
発毛剤・育毛剤・シャンプーは同じではない
| 種類 | 基本的な位置づけ |
|---|---|
| 発毛剤 | 医薬品。壮年性脱毛症における発毛などの承認効能を持つ製品がある |
| 育毛剤 | 主に医薬部外品。製品ごとに承認された育毛・脱毛予防などの範囲で使用する |
| シャンプー | 頭皮や毛髪の洗浄・清浄が主な目的 |
スカルプシャンプーや頭皮マッサージを、AGAの治療や発毛剤と同じものとして考えないようにしましょう。
AGAクリニックを選ぶときに確認したいこと
AGAクリニックを選ぶときは、料金の安さだけではなく、診療内容や治療後のフォローまで確認することが大切です。
- 医師が診察するか
- AGA以外の脱毛症も考慮しているか
- 国内承認薬と未承認薬が区別されているか
- 副作用・禁忌・相互作用の説明があるか
- 必要な場合に検査や対面診療へ移行できるか
- 薬代・診察料・検査料・送料など総額が確認できるか
- 定期配送や解約条件が明示されているか
- 副作用が起きた場合の相談体制があるか
▼ 医療機関を選ぶポイントを確認したい人
オンライン診療という選択肢もある
AGAでは、オンライン診療を利用できる場合があります。
自宅から医師の診察を受けられることは利点の一つですが、すべての人がオンラインだけで診断・治療を完結できるわけではありません。
診断がはっきりしない場合、頭皮を直接確認する必要がある場合、副作用や検査が必要な場合などは、対面診療へ切り替わることがあります。
オンライン診療を選ぶ場合も、治療内容・薬剤・費用・フォロー体制を確認しましょう。
薄毛が気になったら、まず原因を決めつけない
AGAは一般に進行性ですが、進行速度や程度には個人差があります。
また、AGA以外の脱毛症もあるため、「抜け毛が増えた=すぐAGA治療薬を始める」と考える必要はありません。
薄毛が気になり始めた段階で医療機関へ相談すれば、AGAかどうかの確認や、治療が必要かどうかを早めに検討できます。
▼ AGAについてよくある疑問を確認したい人